はじまり

海の底、光がほのかに差し込む珊瑚の森の奥に、
ひとり暮らしのジンベエザメがいました。名前は「じんべ」。

じんべ
じんべ

お鍋たべたい。

その日は、お鍋を探すため物置をゴソゴソしていました。

じんべ
じんべ

なかなかないぞぉ。

物置の奥へと掻き分けていくと、普段は使わない小さな部屋がぼんやりと光っていました。
中を見ると、古びた壺がありました。どうやら中身が光っているようです。

壺の中を覗くと、
そこには淡い光を放つ水が満ち、まるで水晶玉のように
人間の世界が映し出されていました。

壺のそばには古い本と不思議な服がありました。
「健康よろず帖」
一枚めくるとこう書かれています。

“海流に乗った悩みを、潮だまりとして映す壺。”

じんべは思わずゴクリと息をのみます。
海底の片隅に暮らしていた自分のもとへ、
人間たちの悩みが波に乗って届くなんて。

じんべ
じんべ

なにかぼくに、できることがあるはず。

こうして、潮だまりの壺と健康よろず帖を手にしたじんべは、
人間たちの暮らしをちょっと元気に、ちょっと笑顔にするため、
海の底から健康のお話を届けはじめたのです。

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